あくまでも個人の主観ですが
ちょっと過剰な表現かと思っています。
こんにちは。
久しぶりに濃いこと書きます。頭硬い系美容師・田中です。
今年はようやく毛髪診断士の資格試験に取り組み始めました。試験会場が東京か大阪になるので、この2年、全ての行動において県外を自粛していたため、断念していましたが、やはり学びのためには県外も行くべきだろうと。大分という程よい田舎育ちで都会の人の多さやビルの多さも怖いのですが、行ってきます。自分の言葉に、もっと説得力と自信をつけるために。
今年の12月上旬の予定なので、その前にはまたお知らせします。
さて、だからというわけではなくずっと気になっていたテーマです。
「白髪がなくなる」という表現。
私自身も一般消費者ですので、気になる広告には当然、目を惹かれます。
「白髪がなくなる」
白髪に悩む方には夢の状況ですよね。
まず知ってほしいのは、「なぜ白髪になるのか」です。
その理由は「メラニンを持たず成長したから」です。
髪が黒く見えるのは、髪の毛の中に「メラニン」という色素があるからです。
頭皮の下、表皮の約5mm下の毛球という場所が、髪の毛生産工場です。そこでは、毛母細胞さんたちが日々、細胞分裂を繰り返し、髪の毛を産み出しています。髪の毛の素材ができると、お隣のメラノサイトさんという色素の生産工場から色素を受け取ります。両工場の働きでどんどん作られた髪の毛は上に押し出され、毛穴から外に伸びていきます。
これが、髪の毛が生える仕組みです。
髪の毛生産工場にも色素生産工場にも血管から栄養が運ばれてきます。この血管という運河にそもそも栄養が不足したり、流れが悪くなると、質のいい髪の毛が作れません。材料不足で細い毛になったり、成長を止めてしまうこともあります。頭皮環境の悪化や栄養不足が原因で、色素生産工場から色素をもらう回路が一時的に遮断されることもあります。工場が活動をお休みしてしまうこともあります。
環境の悪化や、加齢による工場の老朽化で閉じてしまっては、もう復活はできないといわれています。
しかし、人は成長し、やがて老いていきます。だから尊いのであって、不老不死とか怖いだけです。
しかし、いつまでも美しくありたいという「欲」もまた、人らしさですよね。それは何事においても頑張る原動力になりますので、その「欲」は持ち続けなくてはならないものです。
大切なのは、老化という坂をどれだけゆっくり下るか。
そこに同級生との差が生まれます。どれだけ自分を大切に生きてきたか、その軌跡が外見に現れるのです。「老朽化」ではなく、「熟成」していきたいものです。
人は外見で人を判断しがち。そこから内面を見ようとコミュニケーションを図ると思いますが、外見が近寄りがたかったり、清潔感が足りなく見えたり、怖いと感じられると、内面を見てもらうチャンスを失います。人のそういう心理は、かの有名な「美女と野獣」でしっかりわかりやすく表現されていますし、童話でも、だれもがよけて歩く小汚い老人が実はすごい偉大な魔法使いだったり、カエルが王子様だったり、ヘドロまみれのお腐れ様かと思いきや、川の神様だったり、いろんな物語で表現されています。物語の中では外見からの恐怖に耐えつつ、コミュニケーションを図る主人公が最後に報われる結末になりますが、毎回そんな運命的な出会いを求めてすべての人との交流をシャットダウンするような生き方は、ちょっと生きにくいですね。
人生を左右する大切な場面で、いつも以上に身なりをキレイにするのも、相手への礼儀だったり、印象を良くするためですよね。美容師の仕事はそういうお手伝い。だから私たちの行動や発言は、時にお客様の人生を変えてしまうことにもなると思います。
正しい知識で真摯に対応し、適切なアドバイスをすること。
私が美容師という仕事(あと半分子育て)において、最も大切だと考えているところです。
まだまだ知らないこと、わからないことがたくさんあります。私の言うことがすべて正しいとは限りません。ですが、最近よく見るSNS広告などの「言い切る」表現には疑問を感じます。テレビCMにも感じることですが、まるで魔法のような表現。
シャンプーを変えると頭皮環境がガラッと変わるので、頭皮や髪に変化があるのは事実です。SNS広告に対して過剰だと思うのは、ビフォー写真が根元から毛先まで白髪で、1ヵ月使用した結果のアフター写真が根元から毛先まで程よいダークブラウンになっているところ。「白髪がなくなるシャンプー」と言って。…「うそやん」と思ってしまいます。
新しく整った環境で白髪がメラニンを受け取れて、高い確率で黒髪に変化したとしても、1ヵ月では理論上、回復した髪が表に出ていることは考えにくいですし、すでに生えて地肌から出てきている髪の毛には頭皮環境の変化は影響がないはずなので、「染めてるやん」と思います。カラーシャンプーだったとしたら毛先まで色が入るのは頷けますが、黒髪は明るくならないはずですし、そもそもカラーシャンプーで深い染まりは難しいです。
広告を隅まで読むと、「市販シャンプーの界面活性剤による頭皮刺激」への指摘と、「洗浄力がマイルドでメラノサイトを応援する成分が配合されているので、このシャンプーを使うと白髪が黒髪に戻って髪も艶々になる」との説明。
同じような内容を、美容師として長年お客様にお伝えしてきました。「なる」と言い切りはしないですが。もちろん白髪が黒髪に戻った方もいますし、毛量が増えたり、抜け毛が減ったりという結果が出る方もいます。それを一緒に観察してきているので、自信を持って言えます。「そういうこともあります」と。そう、個人差です。あと、取り組み方です。頭皮環境をチェックし、肌に合うシャンプーを選び、正しい洗い方をお伝えし、ご来店のたびに頭皮環境をチェックする。それをくりかえしていると、お客様の頭皮や髪に次第に変化が現れ始めます。1ヵ月ではまず無理ですが。
「本当にそうやったら誰も悩んでないわー…」と、シラケた目で見つつ、TVCMなどはその映像美に見とれているのもまた事実。
悔しいですが。TVCMは映像として美しかったり、SNS広告は表現がとてもキャッチーだったりしますよね。
過剰な表現をどうか安易に信じないで欲しいと思います。小さく注意書きで「個人差あります」とあるので、必ずしも嘘表現ではないのですが、私個人としては「わーぉ」と、「そんな簡単な話じゃないよ」と、シラケてしまうということだけお伝えしたい。
髪の毛生産工場も、色素生産工場も、ちょっと疲れてお休みしているだけだったら回復の見込みがあります。その場合は白になった髪が黒くなって生えてきたり、脱毛から復活して髪が増えたり太くなったりします。
環境を整えてあげることで、回復の可能性を上げること。それが唯一できることです。
そのためにまず、体の健康を保つことが何より大切です。植物を育てる時の心構えとよく似ていると思うのですが、土壌が大切ということです。健康的で水分、栄養のバランスが良く、定期的に適度に洗浄されて日々清潔を保たれ、真菌や雑菌の繁殖しにくい風通しの良い環境。もちろん紫外線ダメージも防ぐことが大切。紫外線の組織を壊す力は、「ハンパない」ですから。
頭皮の健康を保つために必要なのは、「正しい洗い方」「正しい触り方」「肌に合う化粧品」です。
本来は特別な方法など必要ありません。髪や頭皮を傷つけないアイテムで優しく洗い、優しく扱う。それだけです。
回復のスピードも効果も「個人差」です。お肌や髪の状態から仮説を立てて、適切だと思う方法をお伝えすることしか、私にはできません。続けてお手入れされるのは他でもない、あなた自身ですから。
毎日続けられる範囲での環境改善、方法がわからない場合はご相談ください。
痛みが気になってどうにかしたい場合も、まずはご相談ください。
私たちは、髪の毛の専門家です。
大分市牧にある美容室attra hair designは、女性オーナーがマンツーマンで施術するプライベートサロンです。丁寧に時間を掛けたカウンセリング、理想を叶える高い技術でお客様の要望にお応えします。変わりたい、似合うスタイルを知りたい、なんとなく上手くいかないそんな髪の悩みを抱えた方がなんでも相談できる美容室です。ぜひお気軽にご来店ください。
店舗名 | attra hair design(アトラヘアデザイン) |
代表 | 田中 陽子 |
TEL | 097-558-1311 |
所在地 | 〒870-0924 大分県大分市牧2-17-5 牧ロイヤルプラザ105 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | 有り(2台) |
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